「クロールの息継ぎで沈んでしまうのはなぜ?」

「クロールは泳げるようになってきたけれど、息継ぎをすると沈んでしまう」
「息継ぎをした途端、泳ぎが止まってしまう」
「息を吸ったあと、身体が沈んで苦しくなってしまう」
クロールの練習をしていると、こんなお悩みが出てくることがあります。
息継ぎをしないクロールなら進めるのに、呼吸を入れた途端にフォームが崩れてしまう。
実は、クロールを覚えていく中でよく見られることのひとつです。
では、なぜ息継ぎをすると身体が沈んでしまうのでしょうか?
今回は、クロールの息継ぎで沈んでしまう主な原因をご紹介します。
① 息を吸おうとして、顔を上げすぎている
息継ぎでよく見られるのが、「息を吸わなきゃ!」と顔を水面より高く上げようとしてしまうことです。
顔を前や上に持ち上げると、頭の位置が高くなり、その反動で腰や脚が沈みやすくなります。
すると身体が斜めになり、水の抵抗も大きくなってしまいます。
クロールの息継ぎでは、顔全体を水の上に出す必要はありません。
身体のローリングに合わせて顔を横へ向け、口が水面から出たところで呼吸をします。
「顔を上げる」のではなく、「横を向く」。
この感覚がとても大切です。
② 水の中で息を吐けていない
息継ぎというと、つい「息を吸うこと」に意識が向きがちです。
でも実は、息を吸う前の「吐くこと」もとても大切です。
水中で息を止めたまま泳ぎ、顔を横に向けてから、
「吐いて、吸って」
を一度にしようとすると、呼吸に時間がかかってしまいます。
その間に姿勢が崩れたり、身体が沈んだりしやすくなります。
水の中に顔がある間に少しずつ息を吐いておき、顔を横に向けたときにはスムーズに息を吸える状態をつくっておく。
息継ぎの練習では、「吸う」だけではなく「水中で吐く」ことも一緒に練習していきます。
③ 息継ぎの時間が長くなっている
「しっかり息を吸いたい」と思うほど、顔を横に向けている時間が長くなることがあります。
すると、それまでリズムよく泳げていても、息継ぎのところだけ動きが止まってしまいます。
腕の動きが止まり、身体のバランスも崩れ、結果として沈みやすくなります。
息継ぎだけを特別な動きにするのではなく、クロールの一連の動きの中に呼吸を入れていくことが大切です。
④ 前に伸ばしている腕が下がってしまう
息継ぎをするとき、顔の動きに意識が集中すると、前に伸ばしている腕まで下がってしまうことがあります。
前の腕が沈むと、身体を支えていた姿勢が崩れ、頭や上半身も沈みやすくなります。
息継ぎをしている間も、前の腕をしっかり伸ばして身体の姿勢を保つことが大切です。
「呼吸だけ」を練習するのではなく、腕・身体・顔の動きを少しずつつなげていきます。
⑤ 息継ぎをすると身体全体に力が入ってしまう
「水を飲んだらどうしよう」
「ちゃんと息を吸わなきゃ」
「沈みたくない」
そんな気持ちから、息継ぎの瞬間に身体全体へ力が入ってしまうこともあります。
肩や首に力が入ると、顔を自然に横へ向けることが難しくなり、必要以上に頭を持ち上げてしまうことがあります。
息継ぎは、頑張って顔を水面から出す動作ではありません。
水に浮いている姿勢をできるだけ崩さず、その流れの中で呼吸をすることが大切です。
息継ぎだけを頑張らないことも大切
クロールの息継ぎがうまくいかないと、
「もっと顔を出して!」
「もっと息を吸って!」
と思ってしまうかもしれません。
でも、息継ぎは「顔の動き」だけで完成するものではありません。
水に浮く姿勢。
身体の向き。
腕の動き。
水中での呼吸。
泳ぎのリズム。
それぞれがつながることで、少しずつスムーズな息継ぎになっていきます。
だからこそ、息継ぎでつまずいたときには、「息を吸うこと」だけを繰り返すのではなく、どこで泳ぎが崩れているのかを確認することが大切です。
「苦しい息継ぎ」から「泳ぎながらできる息継ぎ」へ
最初は、息継ぎのたびに止まってしまっても大丈夫です。
水中で息を吐けた。
横を向けた。
口が水面から出た。
息を吸って、また顔を水に戻せた。
一つひとつの動きを身につけ、それを少しずつクロールにつなげていきます。
第1週でご紹介した「浮くこと・けのび」。
第2週の「バタ足」。
そして今回の「息継ぎ」。
水泳は、それぞれ別々の技術に見えて、実はすべてつながっています。
Mika’s Private Swimming Lessonでは、一人ひとりの泳ぎを見ながら、息継ぎのどこで姿勢やリズムが崩れているのかを確認し、それぞれに合った方法で練習を進めています。
「息継ぎをすると沈んでしまう」から、
「泳ぎながら自然に呼吸ができた!」へ。
焦らず、一つずつ。
小さな「できた!」を積み重ねながら、楽に泳げるクロールにつなげていきましょう。